交差点で救急車が後ろについたとき

公開日:  最終更新日:2014/10/05

一般車両の(運転手さんの)とっさの判断に感動

先日、通勤途中に交差点で止まっていると対向車線を救急車が走って来きました。その交差点は右折レーンを含め3車線あるのですが、3車線共に他の車で一杯で避ける余裕がない状態だったので心配しながら見ていると…。

救急車は比較的車両の少ない右折レーン側に進んできます。右折レーンには2台の車が止まっていましたが、左右どちらにも避けるスペースがありません。救急車はピーポー・ピーポーからウゥー・ウゥーにサイレンを変えながら徐行。

この時点で進行方向の道路も交差している道路もすべての車が停止しています。すると、救急車の前にいた2台の車がゆっくりと左右を確かめながら右折し、右折しきったところで左端に避けて停止しました。

救急車は「ご協力ありがとうございました」と言い残し、そのまま、またサイレンをピーポー・ピーポーに変えて道路を横切り直進して行きました。その後、流れは通常に戻りましたが、右折レーンにいた車の運転手…特にその先頭車両の方に小さな感動を覚えました。

そのとき自分ならどうするだろう?

自分なら、進行方向の信号が青になるまで待つか?それとも先ほどの車の運転手さんのように右折するか?実際に遭遇したらどうするだろうと考えながら会社に向かった訳です。後ろからサイレンを変更して鳴らされたらやはり前に出るかな?…と気持ちは固まりつつ。

ちなみにその場合、適切な対処方法はどちらなんだろうと思い、緊急車両に関する法を調べてみました。

まず関連法をチェック

緊急自動車

緊急自動車は、道路交通法施行令第13条にて以下のように定義されています。もちろん私が遭遇した救急車も緊急自動車として定義されています。

(緊急自動車)
第13条 法第39条第1項の政令で定める自動車は、次に掲げる自動車で、その自動車を使用する者の申請に基づき公安委員会が指定したもの(第1号又は第1号の2に掲げる自動車についてはその自動車を使用する者が公安委員会に届け出たもの)とする。
一 消防機関その他の者が消防のための出動に使用する消防用自動車のうち、消防のために必要な特別の構造又は装置を有するもの
一の二 国、都道府県、市町村、成田国際空港株式会社、新関西国際空港株式会社又は医療機関が傷病者の緊急搬送のために使用する救急用自動車のうち、傷病者の緊急搬送のために必要な特別の構造又は装置を有するもの
一の三 消防機関が消防のための出動に使用する消防用自動車(第1号に掲げるものを除く。)
一の四 都道府県又は市町村が傷病者の応急手当(当該傷病者が緊急搬送により医師の管理下に置かれるまでの間緊急やむを得ないものとして行われるものに限る。)のための出動に使用する大型自動二輪車又は普通自動二輪車
一の五 医療機関が、傷病者の緊急搬送をしようとする都道府県又は市町村の要請を受けて、当該傷病者が医療機関に緊急搬送をされるまでの間における応急の治療を行う医師を当該傷病者の所在する場所にまで運搬するために使用する自動車
一の六 医療機関(重度の傷病者でその居宅において療養しているものについていつでも必要な往診をすることができる体制を確保しているものとして国家公安委員会が定める基準に該当するものに限る。)が、当該傷病者について必要な緊急の往診を行う医師を当該傷病者の居宅にまで搬送するために使用する自動車
一の七 警察用自動車(警察庁又は都道府県警察において使用する自動車をいう。以下同じ。)のうち、犯罪の捜査、交通の取締りその他の警察の責務の遂行の....以下省略

緊急自動車の通行区分等

緊急車両の通行区分等については、道路交通法第39条に定義されており、要件を満たせば、はみ出しや通常は停止すべき場所で停止することなく運行できる旨、記載されています。

(緊急自動車の通行区分等)
第39条 緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下同じ。)は、第17条第5項に規定する場合のほか、追越しをするためその他やむを得ない必要があるときは、同条第4項の規定にかかわらず、道路の右側部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。
【令】第13条
2 緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止することを要しない。この場合においては、他の交通に注意して徐行しなければならない。

交差点で緊急自動車に遭遇したときの一般車両は?

緊急自動車の優先については、道路交通法第40条に定義されており、緊急自動車を除く車両は、交差点を避け、かつ道路の左側に寄って停止すると記載されています。

 (緊急自動車の優先)
第40条 交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ)に寄つて一時停止しなければならない。
2 前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。
(罰則 第百二十条第一項第二号〔五万円以下の罰金〕)

なお、ここで言う、「交差点を避け」というのは、「交差点に入らない」ことだそうです(自動車学校の試験問題解説に載っていました)。

結果

なので、今回の件については、法の下に立ってみると適切だったかどうかは疑問が残りますが、それでも私は今回のように人の命に関わるケース(救急車)の場合、運転手さんの判断は適切だったと思います。自分勝手な運転をした結果、緊急自動車の妨害をするような人が多くなりつつある現代において数少ない光景を見ることができて良かったです。

 

ご一読、ありがとうございました。

 

 

 

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